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#844
管理者
微妙な問題ですが…
まず、本当に偽対称なのかどうか、という問題があります。
しかし、これは、おそらく解析の最終段まで確定しないと思われます。
大雑把には、高対称性+ディスオーダーで解析するのと、低対称性+偽対称とは、回折強度的にはほぼ等しいものを再現できます。逆に言えば、両者を解析の序盤で判定するのはほぼ不可能です。

偽対称モデルではパラメータ間の相関が大きくなりすぎ、安定な精密化は困難だと思います。(*.lst ファイルの相関係数のところの表が膨大になっていると思います)
手としては、少なくとも序盤は高対称+ディスオーダーで解析し、終盤は偽対称モデルで、ブロック化して精密化することになるかと思います。(BLOC 命令。この場合、現Yadokari は非対応なので、手動でファイルを編集する必要があります。)

また、別の可能性としては、双晶の可能性があります。結晶によってはちょうど回折点が重なるような形になる場合があって判断が困難な場合があります。これは結晶の質の問題になりますが、まともに解析するよりは、結晶を慎重に選ぶほうが簡単だと思います。ピークが広がったり割れていたりすることが多い結晶の場合、特に注意が必要です。
また、指数づけできない回折点が多いような場合、一部の回折点の強度だけ重なっていたりしますので、再測定したほうがよいです。
何度か測定しているのでしたら、それぞれの測定値の一致度をチェックしてみるとよいかもしれません。ばらつきが大きいようなら、双晶の可能性が大きいかと思います。
こちらの対策としては、小さくても綺麗な結晶を使う、じっくりと偏光顕微鏡でチェックする、という程度しかありませんが….
TWIN 命令である程度はカバーできますが、あまりお勧めしません。

 Nemo  2011/01/31(Mon) 23:03